敗血症性DIC(播種性血管内凝固症候群)に対する治療効果に関する多施設共同後ろ向き観察研究
研究課題名:「敗血症性DIC(播種性血管内凝固症候群)に対する治療効果に関する多施設共同後ろ向き観察研究」
研究責任者:小倉裕司 大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター・准教授
①対象:平成23年1月1日から平成25年11月30日の間に下記の全国の救急・集中治療専門施設において治療をおこなった重症敗血症患者を対象とする。
②研究機関名:大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター、北海道大学病院救急科、大阪大学医学部附属病院集中治療部、産業医科大学病院救急部、自治医科大学附属さいたま医療センター麻酔科・集中治療部、東京慈恵会医科大学附属病院集中治療部、東北大学病院高度救命救急センター、ほか、約30施設を予定
③目的:敗血症によるDIC(播種性血管内凝固症候群)に対する治療効果を調査するため。
④方法:上記対象患者の臨床データについて、カルテレビューによる後方視的調査を行う。調査項目は以下の通りである。年齢、性別、体重、基礎疾患、血小板減少/凝固障害を来たす可能性のある疾患、感染情報(感染部位/血液培養の結果/原因菌種/手術の有無)、入退院情報(ICU入室経路/病院入退院日/ICU入退室日/ICU転帰/院内転帰)、人工呼吸器装着日数、血液浄化施行日数、昇圧薬投与日数、出血性合併症、輸血量、DIC治療の内容/有無、DIC治療以外の抗凝固薬、その他の特殊治療(グロブリン/低容量ステロイド/血液浄化)、SIRSスコア、SOFAスコア。
⑤意義(医学的意義):敗血症を原因とするDIC(播種性血管内凝固症候群)の治療法については未だ確立されていない。世界各国に比較して日本国内でのDICに対する認知度は高く、治療に積極的な施設も多く存在する。これまで海外でのDIC治療薬に関する大規模な前向き研究はいくつか報告されているが、いずれも対象が敗血症性DICではなく、敗血症とされているため、敗血症性DICに対する治療効果を十分検討できてはいない。そのため、本研究を行うことで、敗血症を原因とするDIC治療の有効性が明らかとなれば、その医学的意義は高いと考える。
⑥個人情報の取り扱い:「連結可能匿名化」を行い、個人情報を保護する。
⑦問い合わせ先:大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター 小倉裕司