高度救命救急センターにおける頭部外傷後早期痙攣発作に関する検討
研究課題名:高度救命救急センターにおける頭部外傷後早期痙攣発作に関する検討
当院研究責任者:大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター 特任助教 中村洋平
研究協力のお願い
当科では「高度救命救急センターにおける頭部外傷後早期痙攣発作に関する検討」という研究を行います。この研究は、2012年1月1日より2020年12月31日までに大阪大学医学部附属病院高度救命救急センターにて、頭部外傷に対する入院加療を行った患者さんの臨床情報を調査する研究で、研究目的や研究方法は以下の通りです。直接のご同意はいただかずに、この掲示によるお知らせをもってご同意を頂いたものとして実施されます。皆様方におかれましては研究の主旨をご理解いただき、本研究へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。この研究へのご参加を希望されない場合、途中からご参加取りやめを希望される場合、また、研究資料の閲覧・開示、個人情報の取り扱い、その他研究に関するご質問は下記の問い合わせ先へご連絡下さい。患者さんもしくは代理人の方は、当研究への参加を拒否することができます。
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研究の意義、目的について:
頭部に外傷を負われた患者さん(以下、頭部外傷患者さん)では、外傷後1週間以内に約5-10%の方に痙攣発作を生じることが知られています。このような痙攣発作を医学的には頭部外傷後早期痙攣発作と呼ばれ、頭部外傷患者さんの予後や後遺障害に影響することがわかっています。これまでの研究から、65歳以下の方や、頭部外傷後の意識障害が強い方、頭蓋骨に陥没骨折を伴う方、頭蓋内に出血を伴う方などが、この痙攣発作を生じやすいと言われております。20年以上前から頭部外傷後早期痙攣発作の予防にはフェニトインというてんかんの治療薬が用いられてきました。また、最近ではレベチラセタムやペランパネルといった新しいてんかん治療薬が投与されることもあります。これらの予防薬は一定の効果が見込めるものの、副作用もあり、軽症の方から重症の方まで頭部外傷患者さん全員に投与することは現実的ではありません。一方で、どのような頭部外傷患者さんに対してこのような予防薬を投与するべきなのかは、海外や日本の頭部外傷治療のガイドラインにも明記されていません。
そこで本研究は、当センターにおける最近5年間の頭部外傷患者さんの中で、どのような患者さんに頭部外傷後早期痙攣発作が生じているのかを調査し、予防薬の効果がより期待出来る患者さんの特徴を見つけることを目的に計画されました。
本研究により、より効果的に頭部外傷後早期痙攣発作を予防できるようになる可能性があると考えられます。
② 研究の方法について:
2012年1月1日から2020年12月31日までの期間に大阪大学医学部附属病院高度救命救急センターで治療を受けられた16才以上の頭部外傷患者さんを対象とします。診療録から、年齢、性別、既往歴、来院時の所見、頭部CT検査所見、血液検査結果、治療方法、転帰に関する情報を匿名化して収集し、集計および解析を行います。
③ 個人情報保護について:
研究にあたっては、個人を直接特定できる情報は使用されません。また、研究発表時にも個人情報は使用されません。その他、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(文部科学省・厚生労働省)」および「同・倫理指針ガイダンス」に則り、個人情報の保護に努めます。
④ 研究成果の公表について:
この研究成果は学会発表、学術誌などで公表します。
⑤ 問い合わせ等の連絡先:
大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター 特任助教 中村洋平
〒565-0871大阪府吹田市山田丘2-15
電話番号:06-6879-5111(代表) 内線:3300
メールアドレス:y.nakamura@hp-emerg.med.osaka-u.ac.jp