重症外傷の疫学的研究
救急患者の重症化と体内微生物の影響に関する
メタゲノム解析を用いた研究
[研究の目的]
重症救急患者の臨床経過に、感染症は多大な影響を与えることが知られています。世界的にも敗血症の病態解明が望まれているが、感染が重篤化し敗血症になると死亡率は40%近くになります。原因菌の同定は今だ限られており、微生物からみた病態解明・適切な治療選択共に難しい現状があります。
本研究では、原因となる病原体究明のため、従来の培養法に加え、検体から微生物遺伝子を、次世代シークエンサーで解析することで、遺伝子レベルでの原因微生物の解析を試み、新たな病態解明・治療開発につなげたいと考えています。
今回の研究において救命救急の処置をされた重症患者さんにご協力をいただき便、血液、痰、髄液、尿などの検体を解析することを目指しています。
[研究の対象・方法]
対象
2003年4月1日から2019年12月31日までの期間に当院高度救命救急センターに入院された患者さんの検体を対象とします。メタゲノム解析を用いて網羅的に病原体(微生物)を解析します。研究者が診療情報をもとに病態とメタゲノム解析結果との関連を調べます。
方法
保存されている便、血液、痰、髄液、尿等の病原体の解析を進めます。
利用するカルテ情報
①患者基本情報:年齢、性別、身長、体重、体温、共存症、病院転帰等
②疾患情報:既往歴、疾患名、手術名、治療内容等
③血液査結果:生化学検査、血液・電解質、凝固線溶系、血液ガス所見等
④画像検査所見:CT、MRI、単純X線写真等
[個人情報の取り扱い]
利用する情報からは、お名前、住所など、患者さんを直接同定できる個人情報は削除します。また、研究成果は学会や学術雑誌で発表されますが、その際も患者さんを特定できる個人情報は利用しません。
また、研究参加の辞退の申し出や同意の撤退に関しては「問い合わせ先」へご連絡ください。
[研究の開示]
あなたが希望される場合は、他の方の個人情報やこの試験の独創性の確保に支障がない範囲で研究計画書やその他の資料をご覧になることができます。担当医師までご連絡ください。
[研究組織]
この研究は大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センターが主体となり実施します。
【研究代表者】(研究全体を統括する研究者)
大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター 小倉 裕司
【研究事務局】(事務的な業務を行う施設)
大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター
【データセンター】
大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター
【検体の測定】
微生物病研究所、ヤクルト中央研究所
【共同研究機関】
微生物病研究所、ヤクルト中央研究所
[研究責任者]
小倉 裕司 大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター 准教授
[問い合わせ先]
大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター
研究責任者:小倉 裕司 (准教授)
連絡先:06-6879-5111(病院代表)内線5707