当院で実施中の臨床研究について
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研究内容の紹介
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救命救急センター搬送症例におけるHAE(遺伝性血管性浮腫)疫学調査

研究課題名:「救命救急センター搬送症例におけるHAE(遺伝性血管性浮腫)疫学調査」
研究責任者:廣瀬 智也 大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター 医員

①対象:2011年7月1日から2014年6月30日に下記大阪府下救命救急センターに原因不明の浮腫、上気道閉塞に伴う気道緊急、アナフィラキシーショック、腸管浮腫を伴う急性腹症(イレウスや急性膵炎を含む)、喘息発作で搬送された患者でHAEの可能性のある患者(薬剤性、後天性HAEも含む)、もしくはHAE(薬剤性、後天性HAEも含む)と診断されている患者を対象にする。

②研究機関名:大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター、済生会千里病院救命救急センター、大阪府立三島救命救急センター、大阪府立中河内救命救急センター、近畿大学医学部附属病院救命救急センター、大阪府立泉州救命救急センター、大阪市立総合医療センター救命救急センター、国立病院機構大阪医療センター救命救急センター、大阪府立急性期・総合医療センター高度救命救急センター、大阪警察病院救命救急センター、大阪市立大学医学部附属病院救命救急センター、大阪赤十字病院救命救急センター

③目的:大阪府下救命救急センターに搬送される患者に含まれるHAE患者の頻度を地域網羅的に前向き調査を施行する。

④方法:上記対象患者の臨床データ(現病歴、治療、末梢血検査、生化学検査、入院日数、退院時の状態など)を収集する。入院時の血液検査(C1-INH活性、C4)データを収集する。

⑤意義:HAEは、時に気道や腸管粘膜に出現し、気道閉塞や急性腹症の原因となる。その結果、気道緊急に陥ったり、原因不明の腹痛に対して開腹手術を施行されることもある。本疾患に対しては本邦での認知度は低く、本疾患に対してはアナフィラキシーの際に使用する薬剤は無効である。特効薬であるヒトC1阻害剤を常備する医療機関も少ない。そのため、不幸な転帰をたどる症例も少なくない。HAE患者が大阪府下どの地域にいるのかを把握することにより、効率的に特効薬であるヒトC1阻害剤を配備することが可能となる。また、本調査を通して、気道緊急症例が搬送される可能性の高い3次医療機関に本疾患を啓蒙することができる。その結果、HAE患者のpevental deathを減らすことが十分に期待できる。

⑥個人情報の扱い:「連結可能匿名化」を行い、個人情報を保護する。

⑦問い合わせ先:大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター 廣瀬 智也

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