高度救命救急センターにおける看護師主導の栄養回診チェックリストの有用性
研究課題名:「高度救命救急センターにおける看護師主導の栄養回診チェックリストの有用性」
研究責任者:中谷安寿・大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター・看護師
①対象:2010年5月~2011年11月までに当センターに入院中で、栄養回診チェックリストをつけることが出来た非経口摂取患者を対象とします。
②研究機関名:大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター
③目的:当センターにおいて、新たに作成したチェックリストの有用性を明らかにすることを本研究の目的とします。
④方法:作成したチェックリストは、①「患者背景」②「栄養」③「脱水」④「排便」に関する項目から構成しています。栄養グループの看護師が、定期的に対象患者にチェックリストをつけます。その内容を医師と共有し、必要時に治療の変更を行ないます。約1~2週間毎に治療変更の効果を評価します。(チェック項目)①「患者背景」:身長、体重・年齢より、理想体重と必要カロリー(ハリスベネディクトの式・理想体重×25の2種類)を算出します。最近1週間の体重・栄養データ(Alb、TP、プレアルブミン、レチノール結合蛋白、トランスフェリン)の推移。②「栄養」:投与ルート、投与方法、栄養剤の種類・投与量、 胃管排液量、③「脱水」:腎機能BUNの推移・Cr、脱水(BUN>25かつBUN/Cr比>25以上の場合に脱水疑いと判断します)、④「排便」:排便状況、便の性状・量・回数、便秘時には緩下剤投与の有無。
⑤意義:(医学的意義)看護師の経験年数の有無に関わらず、チェックリストを用いて簡便かつ迅速に患者の栄養状態を管理することは、患者の疾病の回復、また合併症発症率や死亡率の低下に繋がると考えます。(社会的意義)早期からの栄養管理は、入院患者のQOL向上に繋がると考えます。また、患者の入院日数の短縮や医療費負担の軽減にも繋がると考えます。
⑥個人情報の扱い:「連結可能匿名化」を行い、個人情報は研究責任者が保護します。研究対象者のデータや検体から氏名等の個人情報を削り、代わりに新しく符号又は番号をつけて匿名化を行います。 研究対象者とこの符号(番号)を結びつける対応表は外部に漏れないように厳重に保管します。(対応表の管理方法) ネットワークから切り離されたコンピューターを使用して、外部記憶媒体(USBなど)に記録し、それは鍵をかけて厳重に保管します。
⑦問い合わせ先:大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター 看護師 中谷安寿