SIRS患者における血中タンパク分子ネットワークと主要タンパクの臨床的意義
研究課題名:SIRS患者における血中タンパク分子ネットワークと主要タンパクの臨床的意義
当院研究責任者:小倉裕司 大阪大学大学院医学系研究科 救急医学講座・准教授
①
診療情報:以下の2つの条件のうちいずれかを満たす診療情報を対象とする。
1)2000年1月~2020 年6月までに大阪大学附属病院 高度救命救急センターで診療された全身性炎症症候群(SIRS)患者の診療情報。
2)これまで当科で行われた以下の研究で取得された診療情報。
・高度救命救急センター患者の生体試料の保存を用いた研究(承認番号12007)
・SIRS患者における可溶性RAGE-RAGEシグナル系の臨床的意義に関する研究(承認番号14370)
・SIRS患者における炎症抗炎症性サイトカインの臨床的意義に関する研究(承認番号16109)
② 対象疾患:種々の重症病態(敗血症、外傷、熱中症、熱傷、急性中毒、蘇生後脳症、アナフィラキシーショックなど)
③ 選択基準
大阪大学高度救命救急センターに搬送されたSIRS患者。
SIRS診断基準:以下の4項目のうち、2つ以上を満たす場合をSIRSと診断する。
1) 体温
>38℃もしくは <36℃
2) 脈拍数
>90回/分
3) 呼吸数
>20回/分、あるいはPaCO2 <32mmHg
4) 白血球数 >12,000/mm3もしくは<4,000/mm3、または幼弱球>10%
④ 目的:
SIRS患者における血液中の包括的タンパク質情報から、重要な役割を担うタンパク質を明らかにし、臨床的な意義を解明すること。
⑤ 方法:
2000年1月~2020年6月までに当救命救急センターに搬送されたSIRS患者の血液から測定された生体情報を用いて研究を行う。
項目を以下に示す。
(1)
炎症性/抗炎症性サイトカイン(IFN-α、IFN-γ、IL-12/IL-23p40、IL-17AIL-1β、
TNF-α、IL-6、可溶性IL6受容体、可溶性gp130受容体、IL-8、MCP-1、IL-4、IL-10等)。(2)RAGEシグナル関連(可溶性RAGE等)
(3)補体関連(C1、C2、C3、C4等)
(4)凝固線溶系マーカー(TAT、PIC、PAI-1等)
(5)血管内皮細胞傷害マーカー(E-selectin、sVCAM-1、glycocalyx
※ syndecan、T-cadherin等)
(6)DAMPs(HMGB1、ヒストンH3、AGEs、S100A12、Fアクチン等)
(7)蛋白分解酵素(MMP-9、ADAM10等)
(8)neutrophil
extracelluar traps(DNA-MPO)
(9)酸化ストレスマーカー(malondialdehyde(MDA)、ミトコンドリア関連因子※Cytochrome C等)
(10)その他のタンパク質(KRT、GDF11等)
その他、各種重症度スコア(SIRS、APACHE II、SOFA、DIC、ISS等)も評価する。
⑥ 意義:
SIRS患者において臨床的に意義のある血中タンパク分子間のネットワークと主要タンパクを評価し、臨床的に有用なバイオマーカーを開発する。
⑦ 個人情報の扱い:
研究対象者のデータや検体から氏名等の特定の個人を識別することができることとなる記述等を削り、代わりに新しく符号又は番号をつけて匿名化を行う研究対象者とこの符号(番号)を結びつける対応表を当院及び大阪大学で作成し、個人情報管理者は外部の漏れないように厳重に保管する。
⑧ 問い合わせ先:
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
照会先:
大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター 小倉裕司、松本寿健
〒565-0871大阪府吹田市山田丘2-15
電話番号:06-6879-5111(代表)