体幹部外傷による出血性ショックにおける大動脈内バルーン遮断の有効性・安全性に関する前向き観察研究
研究課題名:「体幹部外傷による外傷性出血性ショック患者における大動脈内バルーン遮断の有効性および安全性に関する前向き観察研究」
研究責任者:大西光雄、竹川良介 大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター
①研究の意義・目的:外傷性出血性ショック(大量出血により血圧が低下し,重要臓器に十分な血流が行かない状態)における蘇生(止血や輸液・輸血などにより破綻した循環動態を安定化させること)において,低侵襲な大動脈遮断手段であるResuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta (REBOA)の有用性が示唆されています.しかし,これまでの研究ではREBOAが外傷性出血性ショックにおいて生存に有利に働くかどうかが明らかになっていません.これまでの研究の制限を克服すべく,止血術を必要と判断した体幹部外傷性出血性ショック患者さんの情報を,全国の救命救急センターなどの施設とともに登録したうえでREBOA使用例と非使用例の比較を行う統計解析を行います.この研究により,REBOAが重症外傷患者さんの治療においてどのように働くのかを評価することを目的とします
②研究の方法と期間:16歳以上で、来院60分以内に止血術が必要と決断された体幹部外傷性出血性ショック患者さんを対象として、来院後の経過を観察してデータ収集を行います.
診療録より患者背景(年齢,性別,外傷原因など),病院前情報,来院時情報(血圧,呼吸数,心拍数,体温,意識,SpO2),既往歴,検査関連情報(腹部超音波,CTスキャン),輸血量,血液生化学検査,止血術の部位および内容,Abbreviated Injury ScaleおよびInjury Severity Score(解剖学的指標に基づく外傷の重症度評価),時間経過,入退院情報,合併症(全身合併症および血管アクセス関連合併症)および死因,大動脈遮断関連情報などを収集いたします.
研究実施期間は当大学の倫理委員会承認後から2021年3月31日までです。
③個人情報の取り扱い:本研究で得られた個人情報は,外部に洩れることのないように厳重に管理します.
研究成果の発表にあたっては,患者さんの氏名,住所,生年月日などは一切公表しないこととします.
電子的データ収集(electronic data capture, EDC)という方法でデータを電子記録します.
そのデータセンター(北海道大学病院 先進急性期医療センター内)にデータ等は匿名化したうえで保管します.
④研究に診療情報などを利用して欲しくない場合について:ご協力頂けない場合には,原則として結果の公開前であれば情報の削除などの対応をしますので,下記の窓口にご遠慮なくお申し出ください.
文部科学省・厚生労働省による「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づいて掲示を行っています.
⑤問い合わせ先:大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター
研究責任者:大西光雄、竹川良介
連絡先:06-6879-5707
⑥研究代表機関名称および研究代表者および責任者:千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 織田成人(研究代表者) 松村洋輔(研究責任者)
⑦共同研究機関名称及び研究責任者名:
聖マリアンナ医科大学 救急医学(松本純一)
自治医科大学 救急医学(伊澤祥光)
北里大学医学部 救急医学(樫見文枝)
済生会横浜市東部病院 救命救急センター(船曵知弘)
国立病院機構災害医療センター 放射線科 (森本公平)
帝京大学医学部附属病院 放射線科 (近藤浩史)
太田西ノ内総合病院 救命救急センター (石田時也)
亀田総合病院 救命救急センター (白石 淳)
北海道大学病院 先進急性期医療センター (早川峰司)