経皮的心肺補助装置を用いた心肺蘇生における凝固障害の病態解明と輸血療法に関する観察研究
研究課題名:経皮的心肺補助装置を用いた心肺蘇生における凝固障害の病態解明と輸血療法に関する観察研究
実施許可日~2022年3月31日
当院研究責任者:大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター 医員 中尾俊一郎
研究協力のお願い
当科では「経皮的心肺補助装置を用いた心肺蘇生における凝固障害の病態解明と輸血療法に関する観察研究」という研究を行います。この研究は、2010年1月1日より2019年12月31日までに大阪大学医学部附属病院高度救命救急センターにて、心肺停止のため救急搬送され、心肺蘇生を受けられた患者さんの臨床情報を調査する研究で、研究目的や研究方法は以下の通りです。直接のご同意はいただかずに、この掲示によるお知らせをもってご同意を頂いたものとして実施されます。皆様方におかれましては研究の主旨をご理解いただき、本研究へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。この研究へのご参加を希望されない場合、途中からご参加取りやめを希望される場合、また、研究資料の閲覧・開示、個人情報の取り扱い、その他研究に関するご質問は下記の問い合わせ先へご連絡下さい。患者さんもしくは代理人の方は、当研究への参加を拒否することができます。
①研究の意義、目的について:突然の致死性不整脈による心肺停止となった患者さんに対して、積極的に経皮的心肺補助装置を使用しており、社会復帰できる症例も複数経験しています。一方で、心肺停止蘇生後には心停止後症候群(Post-Cardiac Arrest Syndrome, PCAS)とよばれる重篤な病態に陥り、凝固線溶異常や臓器障害が問題となります。経皮的心肺補助装置を使用するには通常抗凝固療法が必要であり、さらに機械的破損による血小板の消耗も必発するため、多くの場合輸血療法が必要になります。しかし、経皮的心肺補助装置を用いた心肺蘇生における凝固線溶異常の病態については不明な部分が多く、輸血療法の必要性に関わる因子もはっきりしていません。本研究では、経皮的心肺補助装置を用いた心肺蘇生法を施行した患者さんにおいて、凝固/線溶系マーカーの継時的な推移を分析し、凝固線溶異常について解析します。経皮的心肺補助装置を用いた心肺蘇生法における凝固線溶異常の病態解明と、輸血療法の必要性に寄与する因子を見出すことは、救命のために不可欠であり、本研究結果からより有効で安全な治療を提案できると考えられます。
②研究の方法について:2010年1月1日から2019年12月31日までの期間に大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センターに心肺停止状態で救急搬送され、心肺蘇生を受けられたすべての患者さんを対象とします。診療録から、年齢、性別、来院方法、発生状況、現場でのバイタルサイン、既往歴、生活歴、来院時の所見、発生要因、治療法、凝固機能検査、転帰に関する情報を匿名化して収集し、集計および解析を行います。
③個人情報保護について:研究にあたっては、個人を直接特定できる情報は使用されません。また、研究発表時にも個人情報は使用されません。その他、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(文部科学省・厚生労働省)」および「同・倫理指針ガイダンス」に則り、個人情報の保護に努めます。
④研究成果の公表について:この研究成果は学会発表、学術誌などで公表します。
⑤問い合わせ等の連絡先:
大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター 医員 中尾俊一郎
〒565-0871大阪府吹田市山田丘2-15
電話番号:06-6879-5111(代表) 内線:3305
メールアドレス:shunichironakao@hp-emerg.med.osaka-u.ac.jp