当院で実施中の臨床研究について
about a clinical study

研究内容の紹介
introduction of research contents
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重症外傷・熱傷患者におけるHIT発症及びHIT抗体陽性化のメカニズム探索のための多施設共同前向き研究

研究課題名:「重症外傷および重症熱傷患者におけるヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia: HIT)発症およびHIT抗体陽性化のメカニズム探索のための多施設共同前向き観察研究」
研究代表・責任者:藤田基生 東北大学病院 高度救命救急センター
当施設研究責任者:吉矢和久 大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター

①研究の意義・目的:ヘパリン起因性血小板減少症(Heparin-induced thrombocytopenia: HIT)は、血小板減少を特徴とする免疫的機序による症候群で、ヘパリン投与に合併し脳梗塞、動静脈血栓症、心筋梗塞等、致死性の血栓・塞栓症に至る可能性がある重篤な疾患として、臨床的に大きな問題になりつつあります。ヘパリンと活性化された血小板から放出される複合体に対する一部の抗体が血小板及び凝固カスケードを活性化し、血管内皮細胞や単核球の活性化、組織因子を介した凝固因子の活性化を引き起こし最終的にトロンビンの過剰産生が生じ、血小板減少、さらには血栓塞栓症を誘発するものとされています。外傷患者において、組織破壊、壊死等により一過性に血中にDNAやRNAが検出されることを反映し、重症外傷患者では、軽傷外傷患者と比較して、HIT抗体の産生や、HIT発症患者が多いと報告されています。
HITに対して適切な治療を行わなければHIT発症患者の約30~50%が血栓塞栓症を伴い、死亡率は約10~20%にのぼるとされていますので HITに対しより適切な診断方法や治療を明確にするために、発症頻度の低い本疾患に対する、より大規模な全国レベルでの症例登録システムを構築して解析を通し、HIT診断指針、治療指針を明確にしたいと考えています。

②研究の方法と期間:研究に参加いただけるのは、以下の項目にあてはまる方です。しかし、同意いただいた後でも検査の結果によっては、参加いただけない場合もありますのでご了承ください。
以下の項目に該当する方がこの研究に参加いただけます。 (1)重症外傷・広範囲熱傷と診断されている方
(2) 同意取得時に18歳以上の方
(3) 研究参加について本人から(未成年者および本人に説明を行えない全身状態である場合は親権者若しくは代諾者も)文書で同意が得られる方
また、以下の項目に該当する方はこの治療に参加いただけないことになっています。
(1)担当医師が本研究の対象として好ましくないと判断した方
実施予定期間:この研究は、実施承認後から2019年3月まで東北大学を代表施設として多施設で行われ

③個人情報の取り扱い:研究はあなたの個人情報を守った上で行われます。またあなたの求めに応じて、本研究計画に関する資料を、他の被験者への個人情報保護や本研究の独創性の確保に支障のない範囲内で、開示することができます。
1)この研究で得られた結果は、あなたの個人情報に関わる情報を切り離した上で(実名を隠し個人が特定できないように、番号などでコード化した上で)、データの解析などに利用されます。また、研究の結果は学会や医学雑誌等に発表されることがありますが、このような場合でも、あなたの個人情報が公表されることは一切ありません。
2)研究に参加された場合、この研究が適正に行われているかどうかを確認するために、研究の関係者(当研究機関の倫理委員会の委員など)が、あなたのコード化されていない個人データを含め診療に関する記録(カルテ、血液検査データ、尿検査データなど)をそのまま閲覧することになります。このような場合でも、これらの関係者には守秘義務が課せられていますので、あなたの名前などの個人情報にかかわる情報は守られます。(個人情報管理の責任者:吉矢和久)
3)この研究の結果より、知的財産権が生じることがありますが、その権利は研究を行う機関や研究者に属します。なお、同意文書に署名されますと、上記1)、2)ならびに担当医師が必要と判断した、この研究に関連するあなたの個人情報(他科分や研究参加以前の期間も含めた治療内容など)を入手することについてご了解いただいたことになります。検体・検査データは研究終了日から5年/結果公表日から3年(いずれか遅い日)まで保管し、匿名化して廃棄いたします。

④研究に診療情報などを利用して欲しくない場合について:
1)この研究への参加はあなたの自由です。この説明文書をよく読んでいただき、ご家族と相談するなど十分に考えたうえ、この研究に参加するかどうかをあなた自身の自由な意思で決めてください。もし、ご不明な点があれば遠慮なくお尋ねください。参加に同意していただける場合には、同意文書に署名をお願いします。もしお断りになっても、今後の治療を受けるうえで不利な扱いを受けることは決してありません。
2)研究の参加はいつでも取りやめることができます。この研究の参加の途中であっても、いつでも参加を取りやめることができますので、ご遠慮なく担当医師にお知らせください。
3)この研究への参加を希望しない場合や、研究の途中で参加をとり止める場合、その後の治療に対して何ら不利益を受けることはありません。その時点であなたにとって最善と思われる治療を行います。

⑤問い合わせ先:大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター
研究責任者:吉矢和久
連絡先:06-6879-5707

⑥研究代表機関名称および研究代表者および責任者:東北大学病院 高度救命救急センター 藤田基生

⑦共同研究機関名称及び研究責任者名:
国立循環器病研究センター(宮田茂樹、前田琢磨)
北海道大学病院先進急性期医療センター救急科(早川峰司、水柿明日美)
前橋赤十字病院集中治療科救急科(小倉祟以)
香川大学医学部附属病院(一二三亨)
他 全国の救命救急センターのある施設が参加予定(計15施設程度)

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