実績一覧
- 2022.06.22
当講座の細見早苗医師らは、交通事故による院外心停止の一ヶ月生存率が小児では3.3%、成人では1.8%と低く、依然として生命予後の改善が重要な課題であることを示しました。また、この病態に対してエピネフリンが投与されたグループを解析し、早期投与が生存率の改善に関与することを明らかにしました。
(J. Clin. Med. 2022, 11(3), 831) (J. Clin. Med. 2022, 11(3), 745) (J. Clin. Med. 2022, 11(12), 3564)- 2022.06.17
当講座の蛯原健特任助教は、COVID-19において脂肪組織などから分泌されるレジスチンが炎症性サイトカインや血管内皮障害マーカーと関連をもち、重症COVID-19の病態に関与することを明らかにしました。以下概要になります。
脂肪組織からはさまざまなサイトカイン(アディポサイトカイン)が産生され免疫組織として働いていることが注目されています。これまでさまざまなアディサイトカインを解析することで、その中でもレジスチンという物質が、敗血症や熱傷でサイトカインと関連を持ちながら病態に関与してきたことを明らかにしてきました(Shock. 2021 Nov 1;56(5):718-726.,Burns. 2021 Oct 27:S0305-4179(21)00296-5.)。今回COVID-19でもレジスチンはサイトカインと関連をもつことがわかり、さらに血管内皮障害マーカーとも関連をみとめたことから、重症COVID-19の新たな病態解明につながる可能性があります。(Front. Immunol., 16 June 2022)。
- 2022.06.07
当講座の片山祐介特任助教らの研究チームが、救急電話相談を利用した場合、救急車の不搬送事例の発生を抑制することを傾向スコアを用いた解析で明らかにしました。今後、本邦における救急電話相談事業の普及に本研究成果が役立つことが期待されます。
(Frontiers in Public Health. 2022)- 2022.06.07
当講座の片山祐介特任助教らの研究チームが、大阪府におけるACSCs(適切なタイミングで効果的なケアをすることで入院のリスクを減らせるような状態)によって救急搬送された患者の実態について明らかにしました。
(Frontiers in Public Health. 2022)- 2022.05.14
当講座の中尾俊一郎特任助教らが関わった多施設共同後向き観察研究(SAVE-J II study)で、院外心停止に対してECPRを受けた患者の、神経学的予後、生命予後、合併症の割合などを明らかにしました。
(Crit Care 26, 129 (2022))- 2022.05.10
当講座の松本寿健 特任助教は、大阪大学微生物病研究所(感染機構研究部門 ウイルス感染制御分野)の中山英美 准教授らと共同研究で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗N抗体がSARS-CoV-2感染肺胞におけるIL-6産生を促進することを解明しました。
(Scientific Reports volume 12, Article number: 8108 (2022))- 2022.05.06
当講座博士課程の伊藤弘医師らが敗血症脳症における領域特異的な炎症の病態生理、誘発因子・媒介因子の役割、治療法についてレビューし、報告いたしました。
(Frontiers in Aging Neuroscience May 2022 | Volume 14 | Article 912866)- 2022.04.08
当講座博士課程の吉村旬平医師らが、日本全国12施設で多施設共同ランダム化比較試験を行いました。集中治療を要する人工呼吸器関連肺炎の患者に対して、グラム染色結果に基づく抗菌薬選択は患者転帰を損なうことなく、広域抗菌薬の使用を制限することを明らかにしました
(JAMA Network Open.2022;5(4):e226136.) Doi:1011001/jamanetworkopen.2022.6136- 2022.04.01
片山祐介特任助教らが大阪市消防局の救急活動記録を用いてCOVID-19第1波が救急搬送件数に与えた影響についてまとめた論文が、Acute Medicine & Surgeryの掲載論文のうち2020-2021年に最も引用された論文として選ばれました。
- 2022.03.17
当講座の小倉裕司准教授は、委員長を務めた日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)2020とSSCG2021の比較から新たな研究シーズが生まれることを矢田部智昭先生、江木盛時先生との共著で示しました。
(Journal of Intensive Care volume 10, Article number: 11 (2022))
(参考資料)日本版敗血症診療ガイドライン2020