教官挨拶

TOPページ > 教授挨拶

 当救命救急センターは、昭和42年にわが国ではじめての本格的な重症救急の専門施設である「特殊救急部」として大阪大学医学部附属病院に開設されました。以来、大阪府の三次救急施設として、大阪のみならず日本の救急医療・医学の発展のために邁進してきました。阪大病院が吹田地区へ移転した後は、平成12年に改組されて救命救急センターとなり、さらに平成13年には高度救命救急センターの認可を受けました。これは、特殊救急部の人員・病床を大幅に増強するとともに、阪大病院各診療科、基礎医学講座、微生物研究所など大阪大学の生命科学関連部署の総力を結集して、21世紀のわが国の救急医療・医学の発展に貢献することを目的として開設したものです。
 高度救命救急センターでは、全ての年齢層のあらゆる重症救急患者を24時間受入れて診療に当たるとともに、より優れた診断・治療法を開発する体制を整えています。それぞれの急性病態に応じて救急医と各診療科の専門医とが診療チームを結成することにより、すべての領域において最高の医療を提供することを、全学一体となって目指しています。 高度救命救急センターの開設以来10年が経ちました。この間に、救急医療を取り巻く社会環境、救急医療に対する社会的ニーズは大きく変化してきました。私達も、平成20年には大阪府ドクターヘリの基地病院となり、都市型ドクターヘリの運用と災害時の対応に取り組んでいます。また、平成22年には256列超高速CTを導入し、救急初療室と一体となった運用によって救命限界への挑戦を続けています。さらに、救急医療支援センター事業として、当センターと大阪府内の救急病院とを高速ネットワークで結び、各病院で対応が困難な症例に関して阪大病院の専門医がオンラインでサポートする取組みを行っています。
 当高度救命救急センター(救急医学教室)では優れた臨床能力を身につけるとともに、学問としての救急医学を追求しています。臨床医学の発展には理論的な裏づけが不可欠です。また、日常臨床から得た疑問や着想を基礎医学の視点から解明することは、非常に刺激的な体験です。
 また、私たちは臨床においても研究においても、チームワークを重視するとともに、ワーク・ライフ・バランスのとれた勤務体制を確保するための努力をしています。しかし、それは単に休み(オフ)の時間を増やすことを目的としたものではなく、個々人が豊かな人生、家庭生活を実現できるように、めりはりの利いた時間活用を目指したものです。そのなかで、女性医師に救急医療に参加していただくことは大変重要なことだと考えています。それぞれの求めるキャリア形成を行うために、他病院での研修や他の専門領域での研修から海外留学まで、さまざまな研修コースを用意しています。
 救急医療・救急医学に興味のある方は是非、一緒に救急の道を歩みましょう。また、今はあまり救急に興味のない方も、医師としての一生を考えた場合、しばらく救急をやってみることは新たな視点を得ることにつながります。是非、私たちの門をたたいてください。

 大阪大学大学院医学系研究科 救急医学 教授
 大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター センター長
 嶋津岳士